こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
入れ歯は、歯を失ったときに噛む機能や見た目を補う大切な装置です。入れ歯が合わないまま使用を続けると、痛みや噛みにくさが生じるだけでなく、残っている歯や顎にも悪影響を及ぼしかねません。
この記事では、入れ歯の平均寿命や、交換すべきサインについて解説します。入れ歯を長く使い続けるための秘訣についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
入れ歯の平均寿命
入れ歯の平均寿命は、3〜5年程度といわれています。
ただし、使用する素材や日常のお手入れの仕方によって大きく変動します。保険が適用されるレジン(プラスチック)製の入れ歯は、変色や摩耗が起こりやすく、寿命が短くなりやすいです。
一方で、自費で入れ歯を作製する場合は劣化しにくい素材を選択できるため、5年以上使用できることも珍しくありません。例えば、歯茎に当たる部分が金属でできている入れ歯は、強度や耐久性が高く、適切にメンテナンスを行うと10年程度使用できることもあります。
自費の入れ歯のなかでも、金属製のバネがないノンクラスプデンチャーは、素材の特性で3〜5年で寿命を迎えるとされているので注意しましょう。
入れ歯の寿命が短くなる原因
入れ歯の使い方やお口の状態によっては、入れ歯の寿命が短くなることがあります。ここでは、入れ歯の寿命が短くなる原因について解説します。
入れ歯の素材の劣化
入れ歯は毎日使用するため、少しずつ劣化していきます。特に、硬いものを噛む習慣や食いしばりがあると、入れ歯に負担がかかり、寿命を縮めやすいです。
また、熱い飲み物や食べ物を摂取することで、プラスチックが変形したり変色したりする場合もあります。目には見えなくても、すり減ったり変形したりしてお口に合わなくなるのです。
メンテナンス不足
メンテナンス不足は、入れ歯の寿命が短くなる原因のひとつです。食べかすや歯垢が付着したまま放置すると、細菌が繁殖し、入れ歯の素材の劣化につながります。
また、汚れたまま放置すると口臭や虫歯の原因となるだけでなく、誤嚥性肺炎などの深刻な健康問題を引き起こすリスクもあります。
加齢による口腔環境の変化
加齢による口腔内の変化も、入れ歯の寿命に影響する要因です。年をとると骨密度が低下し、顎の骨が減っていきます。結果として、入れ歯と歯茎との間に隙間ができ、入れ歯が合わなくなります。
調整をしても入れ歯がフィットしない場合は、作り直さなくてはなりません。
入れ歯交換のサイン
合わない入れ歯を無理に使い続けると、痛みや傷の原因になるだけでなく、残っている歯や顎にも悪影響を及ぼしかねません。ここでは、入れ歯を交換すべき時に現れるサインについて解説します。
痛みや締め付け感がある
入れ歯を装着した際に痛みや締め付け感があるのは、交換を検討すべきでしょう。入れ歯を調整すれば改善できることもありますが、調整しても痛みが続く場合や、痛みや圧迫感が強い場合は、入れ歯とお口の形が大きくずれているかもしれません。
痛みや違和感を我慢して使い続けると、歯茎に過度な負担がかかって炎症を起こしたり、歯茎を傷つけたりする可能性があります。
ガタガタして安定しない
会話中に入れ歯がずれたり、食事中に浮き上がったりするのも、入れ歯が合わなくなっているサインです。安定しない入れ歯を無理に使い続けると、食事や会話に支障をきたすだけでなく、誤って飲み込むリスクもあります。
入れ歯を調整したり、入れ歯安定剤を使ったりしても改善されない場合は、入れ歯の交換が必要です。
食事や発音がしにくくなった
食べ物が噛み切れなくなった場合や、発音しにくくなった場合は、入れ歯が合っていない可能性が高いです。入れ歯が合わないことで食事の量が減ったり、やわらかいものしか食べられなくなったりすると、栄養状態が低下し、全身の健康にも悪影響を及ぼしかねません。
また、発音に問題が生じるとコミュニケーションをとりづらくなり、社会生活にも支障をきたす場合があります。
すり減りや欠けなど見た目に異常がある
入れ歯の表面にすり減りや欠け、ひび割れなどの目に見える異常がある場合は、入れ歯を交換すべきサインのひとつです。入れ歯がすり減ると食べ物を効率よく噛めなくなったり、一部が欠けていると口の中を傷つけたりする場合があります。
単に見た目の問題だけでなく、機能面に問題が生じる可能性が高まるのです。
入れ歯の寿命を延ばすための習慣
入れ歯をできるだけ長く使い続けるためには、日々のお手入れや生活習慣が大切です。ここでは、入れ歯の寿命を延ばすための習慣について解説します。
毎日洗浄して清潔に保つ
入れ歯の寿命を延ばすためには、毎日適切に洗浄することが大切です。食事後は必ず入れ歯を外し、流水で食べかすを洗い流した後、入れ歯専用のブラシで丁寧に磨きましょう。
歯磨き粉や熱湯は使用してはいけません。通常の歯磨き粉は研磨剤が含まれていることが多く、入れ歯を傷つける可能性があるためです。また、熱湯で洗うと変形する恐れがあります。
入れ歯の歯と歯茎の境目や入れ歯の裏の部分、部分入れ歯の金属のバネ(クラスプ)の周辺は汚れが蓄積しやすいため、特に丁寧に洗いましょう。
就寝前には入れ歯洗浄剤に浸け置きし、細菌の繁殖を防ぎます。洗浄剤によってつけ置き時間が異なるため、パッケージに記載の指示にしたがってください。正しくお手入れをすることで入れ歯を清潔に保てば、素材の劣化を防げます。
洗浄時の落下による破損を防ぐ
入れ歯の洗浄時は、落下による破損が起こりやすいタイミングです。水で洗い流す際には、手元の下に水を張った洗面器を置き、誤って落としても衝撃を和らげるよう対策しておきましょう。
万が一落とした場合は、見た目に問題がなくてもわずかなヒビや変形が生じている可能性もあるため、歯科医師にみてもらうと良いでしょう。
乾燥させない
プラスチックでできた入れ歯は、乾燥すると変形やひび割れが発生することがあります。外して保管する際は、水や専用の洗浄液に浸けておきましょう。
旅行先などで一時的に入れ歯を外す際も、湿らせたティッシュに包むか、携帯用のケースに少量の水と一緒に保管してください。また、直射日光の当たる場所や暖房器具の近くなど、高温になる場所での保管は避けましょう。
就寝前に外す
就寝中の口腔内は、唾液の分泌量が減少し細菌が繁殖しやすい環境です。入れ歯を装着したまま眠ると、入れ歯と歯茎の間に細菌が蓄積し、口臭や歯茎の炎症の原因となります。
また、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによって入れ歯が破損するのを防ぐためにも、就寝前には入れ歯を外しましょう。
ただし、口腔内の状況によっては、装着したまま眠ったほうが歯や歯茎を保護できる場合もあります。入れ歯の作成時に歯科医師から指示があるので、指示に従いましょう。
定期検診を受ける
入れ歯は使い続けるうちに少しずつフィット感が変わってきます。3〜6ヶ月に1回程度は歯科医院で検診を受け、入れ歯や口腔内の状態をチェックしてもらいましょう。早期に問題を発見できれば、簡単な調整や修理で対応できる可能性が高まります。
また、口腔内の変化に応じて入れ歯の調整を行うことで、常に最適な状態を維持できるでしょう。入れ歯だけでなく残存歯や歯茎の健康状態もみてもらえるため、口腔全体の健康管理にもつながります。
患者様の声
ここでは、当院の患者さまの口コミをご紹介します。
口コミ①
定期検診で通っています。毎回歯茎のチェックや出血のチェックもしてもらえてこれからも歯磨きを頑張ろうという気になります。
気になることは相談しやすいので、これからも通って歯を大切にしたいと思います。
口コミ②
メンテナンスで通っています。初めは歯の痛みで行ったのですが、食いしばりにより、その影響で痛みが出ていたもので、マウスピースを作りました。
初めのカウンセリングでしっかりお話聞いていただき、説明もわかりやすかったです。そしてどの歯科衛生士さんも丁寧な説明でわかりやすく、話しやすく好印象な方達ばかりです。
まとめ
入れ歯は、使用している素材や口腔内の状況によって異なりますが、3〜5年程度で交換が必要になる場合が多いです。合わない入れ歯を無理に使い続けると、痛みや噛みにくさなど日常生活に支障をきたすだけでなく、口腔内の炎症や全身の健康リスクにもつながります。
入れ歯の寿命を延ばすためには、毎日正しく洗浄して管理し、定期的に歯科検診を受けることが大切です。少しでも異常を感じたら早めに歯科医師に相談し、快適に使用しましょう。
入れ歯治療を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、小児矯正・成人矯正をはじめ、虫歯治療や歯周病治療、マタニティ歯科、ホワイトニングなどにも力を入れています。ホームページはこちら、WEB予約やLINE予約相談もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。
小道俊吾