こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
歯列矯正を終えたあと、多くの人が「これで一安心」と思うかもしれません。
しかし、実際には、治療後の過ごし方によっては、せっかく整えた歯並びが元の位置に戻る可能性があります。矯正治療は数ヶ月から数年という長い期間と高い費用をかけて行うものですから、その効果をできるだけ長く維持したいと思うのは当然のことです。
後戻りを防ぐためには、治療後のケアや日常生活での注意が欠かせません。
今回は、矯正治療後に後戻りが起こる原因と予防策、後戻りが起きてしまった場合の対処法について解説します。
目次
後戻りとは
矯正治療によって歯並びや噛み合わせを整えたあと、時間の経過とともに歯が元の位置に戻ろうと動く現象を後戻りといいます。
矯正治療によって移動させた歯は、すぐにその場所に安定するわけではありません。歯を支える骨や歯茎の組織が安定するまでには時間がかかるため、治療終了後もしばらくの間は、歯が元の位置に戻ろうとする力が働きます。
後戻りの程度は人によって異なり、見た目では気づかないほど軽度なケースもあれば、前歯がずれて噛み合わせに支障をきたすようなケースもあります。放置しておくと再治療が必要になることもあるため、矯正後のアフターケアは非常に重要です。
矯正治療後に後戻りが起こる原因
後戻りにはさまざまな要因が関係していますが、主に以下のような理由が挙げられます。
リテーナーの使用不足
矯正治療後の歯は、一見整っていても非常に不安定な状態にあります。そのため、歯の位置を固定するためのリテーナー(保定装置)を、一定期間しっかり装着する必要があります。
しかし、このリテーナーの使用が不十分だと、歯が元の位置へと戻る可能性があるのです。特に治療終了から数か月〜1年の間は、後戻りが起こりやすい期間です。
また、リテーナーの破損や変形に気づかず使い続けていると、十分な保定力が得られないため注意が必要です。
舌の癖や口呼吸
普段の舌の動かし方や呼吸の仕方も、後戻りの大きな要因になることがあります。たとえば、舌で前歯を押す舌癖(ぜつへき)があると、歯に常に圧力がかかり、矯正治療で整えた歯並びが徐々に崩れてしまうのです。
また、口呼吸の習慣があると、舌が正しい位置に収まらず、上下の歯列に均等な力がかかりにくくなります。その結果、歯並びのバランスが崩れやすくなり、後戻りを起こす可能性があります。特に睡眠中の無意識な動作は、自分では気づきにくいため、注意が必要です。
これらの癖は、トレーニングや専門的な指導によって改善が可能です。気になる癖がある場合は、歯科医師に相談し、早めに対処することが望まれます。
歯ぎしりや食いしばり
就寝中の歯ぎしりや、日中の食いしばりも、後戻りを引き起こす原因のひとつです。これらの無意識な習慣は、歯や顎に過度な力を加えるため、歯並びが乱れやすくなります。
朝起きたときに顎がだるい、歯が擦り減っているなどの症状がある場合は、歯ぎしりのサインかもしれません。
加齢
意外に思われるかもしれませんが、加齢も後戻りの一因となります。
年齢を重ねると、歯を支えている骨や歯茎の状態が徐々に変化し、歯の位置に影響を与えることがあります。特に歯周病などで歯を支える組織が弱っていると、歯が動きやすくなり、結果として歯列が乱れることがあるのです。
また、加齢に伴い噛み合わせが変化することも、後戻りのリスクを高めます。顎の筋力が衰えたり、咬合のバランスが崩れたりすることにより、歯が本来の位置からずれることがあるのです。
矯正治療後の後戻りを予防するには
矯正治療後の後戻りは予防が可能です。以下のポイントを意識することで、美しい歯並びを長く保つことができます。
リテーナーを適切に使用する
後戻りを防ぐうえで最も重要なのが、矯正治療後に使用するリテーナー(保定装置)です。
リテーナーは、治療によって動かした歯の位置を安定させる役割を担っており、一定期間きちんと装着し続けることが不可欠です。装着を怠ると、歯は少しずつ元の位置に戻ろうとし、後戻りが進んでしまいます。
特に治療が終わってから最初の1年間は、歯を支える骨や組織がまだ不安定な状態のため、リテーナーの使用が非常に重要です。歯科医師の指示に従って正しく使用しましょう。
また、リテーナーは長期間使うことで破損や変形を起こすこともあります。フィットしにくくなったと感じた場合は、速やかに歯科医院を受診して相談しましょう。
口周りの癖を改善する
舌の動きや唇の使い方、呼吸の仕方など、日常生活に潜む口腔習癖は、知らず知らずのうちに歯並びに悪影響を与えることがあります。
たとえば、舌で前歯を押す癖があると、常に力がかかるため、歯が少しずつ動くことがあります。また、口呼吸の習慣があると、舌の位置が本来の位置よりも下がり、歯列の安定に必要な圧力が保てなくなります。
癖は長年の習慣として根付いていることが多いため、すぐには改善が難しい場合もありますが、意識して少しずつ修正していくことが、後戻りを防ぐ確かな対策となります。
定期的に歯科検診を受ける
矯正治療後も歯科医院への定期的な通院は欠かせません。後戻りは少しずつ進行するため、日常生活のなかでは気づかないまま歯が動いてしまうことがあります。
しかし、歯科検診を定期的に受けていれば、早期に変化を察知し、必要な対策を講じることが可能です。
一般的には3〜6か月に1回のペースで通院するのが理想的です。治療が終わったあとも、定期的に歯科医院で検診を受けることが、美しい歯並びを守る大きなポイントになります。
後戻りを起こしたときの対処法
万が一、後戻りが起こった場合でも、適切に対処すれば元の状態に近づけることが可能です。ここでは、後戻りを起こしたときの対処法について解説します。
リテーナーの再調整・再作製
矯正治療後に軽度な後戻りが見られた場合、まず検討すべきなのがリテーナーの再調整や再作製です。
リテーナーは時間とともに変形したり、装着時のフィット感が失われたりすることがあり、そのまま使用を続けると十分な保定効果が得られません。違和感を覚えたときや、歯の位置に微妙な変化を感じた場合は、早めに歯科医院で調整を受けることが大切です。
また、リテーナーが破損・紛失した場合には、速やかに再作製する必要があります。
重要なのは「少しのズレだから大丈夫」と自己判断で放置しないことです。後戻りは時間とともに進行するため、早期発見と早期対応が歯並びを守る鍵となります。
部分矯正
後戻りが限定的な部位で起きている場合には、部分矯正で対応できることがあります。前歯だけがわずかにずれた、あるいは一部の歯だけが傾いてきたといったケースでは、全体を再度矯正するのではなく、気になる部分にのみ装置を使用して治療することが可能です。
部分矯正には、ワイヤーを使う方法やマウスピース型の矯正装置を使用する方法があります。治療期間も短く、費用負担も軽減されるため、後戻りへの対処法として選ばれることが多くなっています。
再矯正
もし後戻りの範囲が広く、部分矯正やリテーナーの調整では対応できないほど歯列が崩れている場合は、再矯正を行う必要があります。再矯正とは、初回の矯正治療と同様に、歯全体を動かして再び理想的な位置に戻す治療のことです。
治療方法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、患者さんの希望や口腔内の状況に応じて選択されます。再矯正の期間は初回よりも短く済むこともありますが、後戻りの度合いによっては長期間の治療が必要になることもあります。
再矯正は時間的にも費用的にも大きな負担になるため、治療を受けるかどうかは慎重に判断する必要があります。
患者様の声
当院で治療を受けた患者様のお声をご紹介します。
矯正治療で通院されている方の口コミ
矯正でお世話になっています。説明も治療も丁寧ですし、少しずつ綺麗になっていく歯並びにうれしい気持ちでいっぱいです。過去には託児も利用させていただきました。人見知りの激しい子どもでしたが、優しい声をかけてもらったりして安心して治療をしてもらえました。
今後もよろしくお願いいたします。
矯正治療と定期検診で通院された方の口コミ
主に矯正をしたくて、定期検診も兼ねて行きました。治療方法や矯正方法など事前に時間を取り相談をした上で、進めていくため安心して通うことができます。また治療方法や虫歯、歯周病についてまとめたパンフレットをその都度渡してくれ丁寧な対応でした。
まとめ
矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えるための効果的な方法ですが、治療が終わったあとも油断はできません。歯は常にわずかに動こうとする性質を持っており、リテーナーの使用不足や日常の癖、加齢など、さまざまな要因によって後戻りが起こる可能性があります。
後戻りを防ぐためには、リテーナーを適切に使い続けること、舌の癖や口呼吸といった悪習慣を見直すこと、そして定期的に歯科医院で検診を受けることが重要です。万が一、歯並びに変化があったとしても、早期に対処すれば、最小限の治療で済むケースも少なくありません。
矯正治療の成果を長く維持するためには、治療後の管理が不可欠です。日々の習慣やケアを見直し、美しい歯並びをこれからも維持しましょう。
矯正治療を検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
当院では、小児矯正・成人矯正をはじめ、虫歯治療や歯周病治療、マタニティ歯科、ホワイトニングなどにも力を入れています。ホームページはこちら、WEB予約やLINE予約相談もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。
小道俊吾























