• ご予約・お問い合わせ:0798-65-4182(平日・祝日/9:30-19:00、土/18:30まで、日曜休診)
  • ご相談・お問い合わせ
  • 24時間受付:かんたんWEB予約
  • 24時間受付:かんたんLINE予約
西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科

history

  • Dr.コミチ

Dr.コミチのエンドドンティクス年間コース 症例検討会

 

院長の小道が「Dr.コミチのエンドドンティクス年間コース 一般公開」のエンドドンティクス症例検討会を行いました。診療後の遅い時間までご参加いただいた先生方ありがとうございました!

 

〈院長コメント〉

本日はzoomにて根管治療の症例検討会を行いました。今回は2症例の相談があり、どちらもディスカッションポイントが多い症例でした。

1症例目は、左上の6番目の歯の再根管治療で、病変がある症例です。分類的には「Retreatment」の「感染根管治療」なので、治療的にも治癒的にも難しいケースです。この症例のポイントは2つで、「治療中にNi-Tiファイルが折れたこと」と「根管治療後どのタイミングで補綴治療(最終的な被せ物)へ移行するか」です。「治療中にNi-Tiファイルが折れたこと」については、根管治療をしていくうえで、どれだけ気をつけていても一定の確率で起きる偶発症です。今回相談していただいた先生は、治療前の事前説明の用紙で偶発症について伝え、さらに器具破折が起きたときもレントゲンを撮影して患者さんに伝えていたので、手順としては問題ないと思いました。また、今回の先生は最終的に自分で折れたファイルを除去していましたが、仮に除去できなかったとしてもファイル自体が感染源になることはないと文献でも発表されているので、そこも踏まえて患者さんへの説明を行ってもらえばいいかと思います。「根管治療後どのタイミングで補綴治療へ移行するか」については、根管治療で根管内の細菌が除去できたら補綴へ移行し経過観察、その後病変の拡大を認めたら外科的歯内療法を行うという流れをお伝えさせていただきました。

2症例目は左上の7番目の歯の抜髄症例で、診断に迷われた症例です。分類的には「Initial treatment」の「抜髄」でした。この症例のポイントは、「初診時に神経を取る処置をすべきだったかどうか」です。今回ご相談を頂いた先生は、「歯が痛むときがあります。」と来院された初診時にこの歯の神経の検査を行い、そのときは正常な神経の反応があったため一度経過観察の指示を行いましたが、数日後に痛みがひどくなり結果的に神経の治療になった症例です。この症例について、結果を見てからディスカッションする際には「初診時は神経の反応的に可逆性歯髄炎と判断したが、結果的に数日後には不可逆性歯髄炎に移行して抜髄処置を行った」と時系列も含めて分析できますが、実際の臨床ではそうはいかないことのほうが多いと思います。この先生が私に対して「初診の時(患者さんが痛みを訴えているが神経の検査で反応が正常な時)に神経を抜く処置を選択しましたか?」と質問されたのですが、正直なところわからないというのが本音です。もし同じような場面に出くわした時、患者さんと相談の上神経を取ることもあるでしょうし、待機的診断を行ったうえで結果的に時間の経過で正しい診断を下せるようになることもあると思います。そのような診断を行うにしても、診断に至るまでの自分の知識、十分な診査、患者さんへの説明が重要であるということを再認識させてくれる良い症例だったと思います。

症例を出していただいた先生方、診療後の夜遅くまでご参加いただいた先生方、司会を務めめた頂いた植田先生、そして事務連絡などをしていただいた運営の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。