院長の小道が「ドクターコミチのエンドドンティクス年間コース第4期(全5回)」の2日目を行いました!日曜日にご参加いただいた先生方ありがとうございました!
セミナーDay 2:1日の流れ
午前中:座学(歯髄診断 / 生活歯髄療法(VPT))
午後:透明根管を用いた実習(ネゴシエーション・グライドパス、作業長設定、根管拡大・根管形成)
〈院長コメント〉
私が講師を務めさせていただいている年間コースのセミナーの第4期2日目を行いました。
午前中は、歯髄診断と生活歯髄療法(VPT=Vital Pulp Therapy)についての講義をさせていただきました。歯髄診断は歯の神経の検査で、根管治療に介入するのか、生活歯髄療法に適応になるのか、も含めて治療の意思決定において非常に重要なステップになります。日常臨床で使用することの多い冷刺激診査と電気歯髄診断を中心に、論文も引用しながら少し掘り下げて解説させていただきました。国家試験以降はほとんど聞くことのない「感度」や「特異度」という言葉も出てきて、頭が混乱したかもしれませんが、同じ診査でもその特性を理解してやるのとそうでないのとでは、診査結果の解釈や治療方針が大きく変わってきます。日々の忙しい診療の中では、短時間・限られた情報で診断を下し、治療に介入することも多いと思いますが、ぜひ明日からの臨床で意識してもらえると幸いです。
VPTの講義では、歯髄診断の結果を含めた私の症例を提示しながら、適応症例やメリット・デメリットについて解説しました。一昔前までは、神経に一部でも感染が起きていると歯髄は残すことができないという考え方が主流でした。しかし、材料や考え方の変遷により、最近は神経を残すことができる症例の範囲がかなり広くなってきています。神経を残すメリットとしては、歯の感覚を残すことができ、結果として歯の保存につながることが挙げられます。一方で、デメリットとしては、治療に伴う痛みが発生する可能性がある・歯髄をどこまで除去すれば良いのかが難しい場合がある・VPTから根管治療に移行した場合は、根管狭窄などが起きて根管治療が困難になる可能性がある、等が挙げられます。神経を残すことは大変意義があることだと考えていますが、どの症例でもVPTが適応になるわけではないので、問診・視診・歯髄診査・術中診査などでその歯がVPTの適応かどうか、どこまでの歯髄を保存することができるのかを見極めていくことも非常に重要です。
午後の実習では、前回と同じ透明根管を用いて、ネゴシエーション・グライドパス、作業長設定、根管拡大・根管形成を行いました。この処置は実際に根管を触っていく段階で、使用する器具や細かい処置のステップが増えてくる部分です。今回の透明根管は自分の手で持ちながら色んな角度から器具操作が可能でしたが、実際の診療では口の開く量や歯の向きなどの制限があります。その制限の中で、レントゲン画像やCT画像から根管の形態を頭の中でイメージして、一つ一つのステップを確実にクリアしていただければ根管治療の成功に近づくのではないかと思います。
受講して頂いた皆様の高い集中力のおかげで、充実した1日となりました。日曜日にご参加いただいた先生方、スタッフの皆様、ありがとうございました。



















