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西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科

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  • Dr.コミチ

エンドドンティクス 公開症例検討会

院長の小道が「エンドドンティクス 公開症例検討会」を行いました!これは、zoomで公開の症例検討会を行うものです。診療終わりの遅い時間にもかかわらず、たくさんの先生にご参加いただきありがとうございました!

 

〈院長コメント〉

本日はzoomにて根管治療の症例検討会を行いました。大学にいた頃、自分が治療した症例を同僚の前で発表する機会は年に3回ほどありましたが、他の先生の症例に対していろんな人が見ている中でお話させていただくのは初めてで非常に緊張しました。

1症例目は「不可逆性歯髄炎で抜髄になり、根尖病変は無くなったが根管治療後にポケットが出現した症例」でした。この症例のポイントは、「MB2(上顎の大臼歯に隠れている神経の部屋)を見逃していることがポケットと関係しているか」どうかでした。結論から言うと、この症例では根尖病変が治癒しているのでMB2は関係なく、ポケットに関しては咬合が関係しているのではないかと診断させていただきました。患者さんが持つ症状に対して、原因を探して適切に対処することは歯科治療の基本でありますが、時にそれが非常に困難なことがあります。例えば今回症例を相談していただいた先生は、「自分がMB2の根管を見逃したこと」に対して意識が向いてしまい、他の選択肢が頭から消えてしまっていました。(ちなみに、MB2は、上顎の大臼歯で割と高頻度で発現し、昔聞いた話では「MB2を見つけるために効果的な方法は『MB2があると思って探す』こと」と言われていました。)診断をする際には先入観を持たずに望むことが大事だと感じた症例でした。

2症例目は「深い歯周ポケットがあるエンドーペリオ病変が疑われる歯で、根管治療のみで病変が治癒してくるのか、それとも外科処置が必要になるのか」について質問をいただきました。こちらについては、「根管治療を終了させて治りを見ないとわからない」というのが結論になります。根管由来の病変と、歯周病由来の病変が併存するとエンドーペリオ病変となり、多くの場合外科処置が必要になる難症例となります。とはいえ、まずは根管治療による治癒を見てから次の手を考えることが多いので、患者さんに事前に追加の処置が必要になることをよく説明した上で、通常の根管治療を勧めていただくようお伝えしました。根管治療後に追加の処置が必要になる場合、術前の説明があるかないかで患者さんの気持ちは大きく変わります。根管治療の成功率も100%ではないので、この症例に限らず術前の説明が重要であると考えます。

2症例とも、治療後もしくはある程度治療が進んだ状態で資料をゆっくり見ながら診断をすることができましたが、もし自分が日々の診療で遭遇したら困るであろうと考えさせられた症例でした。今後も、より正確な診断と的確な治療を提供できるよう精進してまいります。

zoomの手配や事務連絡をしていただいたORTCの皆様、症例を出していただいた先生方、司会進行をしていただいた植田先生、そして診療終わりの遅い時間までご参加いただいた先生方ありがとうございました!