こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
銀歯の下の虫歯は気づきにくいため、放置してしまうと深刻な問題に発展することがあります。銀歯は、セラミックなどの他の人工歯と比べて虫歯が発生しやすいと言われています。レントゲンでの発見も難しいため、治療が遅れることも多いでしょう。
この記事では、銀歯の下の虫歯がなぜ発生しやすいのかについて解説し、予防法と具体的な対処法をご紹介します。
もくじ
銀歯とは？
銀歯は金、銀、銅、パラジウムなどの金属で作られた合金製の人工歯で、保険診療の虫歯治療に使われる金属製の詰め物や被せ物です。治療後の歯を型取りして作製した銀歯を、セメントで装着します。
かつてはアマルガムが広く使われましたが、水銀が含まれるため現在ではほとんど使用されていません。
銀歯は耐久性があり、強い力に耐えられます。奥歯に使用されることが多いですが、見た目の欠点から白い歯への交換を望む人が増えています。
銀歯の寿命
銀歯の使用期間は、個人の口内環境に左右されるものの、一般的には約5～7年程度とされています。あくまで平均的な数値なので、銀歯がそれよりも早く外れてしまうこともあれば、適切なケアによって10年以上使用できる場合もあります。
銀歯の寿命を延ばすために重要なのは、定期的な歯科検診と適切な口内ケアを心がけることです。
銀歯の下が虫歯になりやすい理由
銀歯は金属で作られていますが、金属の性質によって銀歯の下が虫歯になりやすいことが分かっています。セラミックなどの素材を使用した人工歯のほうが、虫歯のリスクが下がり長期的に使用できるとされているのです。
では、なぜ銀歯の下が虫歯になりやすいのか詳しく解説します。
銀歯の表面が傷つきやすい
銀歯は表面が非常に傷つきやすく、日常の使用により無数の細かな傷が生じます。
銀歯が古くなるにつれて傷はさらに多くなり、それらの傷の中に細菌が付着しやすくなるのです。一度細菌が傷の中に入り込むと、通常の歯ブラシでは落としにくいでしょう。
さらに、銀歯は金属なので帯電する性質を持っているため、プラークが付着しやすくなります。汚れが付着しやすく落としにくいので、銀歯の下は虫歯になりやすいと言われています。
酸化・腐食しやすい
銀歯にはプラークが付着しやすいため、酸化・腐食もしやすいです。口内環境は食事によって高温や低温にさらされるだけでなく、酸性の食べ物の影響も受けるため非常に過酷です。
このような条件下では、銀歯の下も虫歯になりやすいです。
セメントと歯の間に隙間ができる
銀歯を歯に装着する際に使用されるセメントには、時間が経つにつれて溶けます。セメントの溶解により、銀歯と天然歯の間に徐々に隙間が生じて広がっていきます。
この隙間が細菌の侵入口となり、虫歯が再発しやすい環境を作り出すのです。
温度変化によって膨張する
銀歯と天然の歯は、熱膨張係数が異なります。食事などで口内の温度が変化すると、それぞれが異なる速度で膨張や収縮を繰り返します。
温度変化による膨張・収縮の差異が原因で、銀歯と天然の歯の間に隙間が生じるのです。この隙間から唾液が侵入し、さらにセメントが流れ出てしまうことで、細菌がその隙間に入り込みやすくなります。その結果、銀歯の下で虫歯が発生するのです。
神経を取っていると痛みを感じにくい
銀歯の被せ物を装着する場合、歯の神経を除去することもあります。神経を取った歯は痛みを感じないため、虫歯が発生しても自覚しにくいでしょう。その結果、虫歯に気づくのが遅れてしまうのです。
また、根の先に膿が溜まると根管治療が必要になります。最終的には、義歯への切り替えなど別の治療が必要になることもあるでしょう。
神経を取った歯は虫歯の進行に気づきにくいため、定期的な歯科検診が重要になります。
レントゲンを通さない
銀歯の下が虫歯になりやすい理由の一つとして、レントゲン撮影での確認が難しいという点が挙げられます。
レントゲンは放射線（X線）を用いて口内の状態を確認する検査ですが、X線は金属を透過しません。金属製の銀歯の下の部分は、映像上での確認が困難です。
銀歯が被せられている部分が虫歯になっていても、それをレントゲンで捉えることができないのです。銀歯の下の虫歯を見逃すリスクが高まり、治療が遅れる可能性があります。
銀歯の下の虫歯を予防するためには
銀歯の下は虫歯になりやすいですが、日頃からしっかりと対策することで、使用年数を延ばすことが可能です。以下に、銀歯の下の虫歯を予防するための方法をご紹介します。
丁寧に歯を磨く
銀歯の下の虫歯を防ぐためには、日頃から丁寧な歯磨きを心がけることが非常に重要です。虫歯の主な原因は、食べかすや細菌が銀歯と天然歯の間に蓄積されることです。
虫歯予防のために、毎食後と就寝前の歯磨きを徹底しましょう。夜間は唾液の分泌が減少し、口腔内が乾燥して虫歯菌の活動が活発になるため、就寝前の歯磨きは特に重要です。
寝る前にしっかりと歯を磨くことで、一晩中口腔内を清潔に保つことができます。
適したツールを使用する
適切な歯ブラシの選択も重要です。小さなブラシを選び、歯と歯茎の間や銀歯の隙間もしっかり磨きましょう。外出時に食後すぐに歯を磨けない場合でも、うがいをすることで食べかすを洗い流すことができます。
また、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシも使用してください。これらの道具を使うことで、歯ブラシだけでは落としきれない汚れを除去できます。
特に、銀歯と天然歯の間は、微細な食べかすや細菌が溜まりやすく虫歯になりやすいため、入念にケアすることが大切です。
定期的に歯科検診を受ける
銀歯の下の虫歯を予防するには、日常のブラッシングに加え、定期的な歯科医院でのメンテナンスが不可欠です。歯科医院でのメンテナンスでは、専門的なクリーニング（PMTC）も行います。
PMTCでは、普段のブラッシングでは除去できないプラークや歯石を効率的に取り除くことができます。歯や歯茎の徹底的な清掃が可能となり、細菌の増殖を防ぐことができるのです。
また、銀歯の状態の評価や、必要に応じた修復や調整も行われるでしょう。虫歯が発生しやすい状態の早期改善につながり、銀歯の下の虫歯の防止に効果的です。
特に、銀歯の下で虫歯が進行していても痛みを感じにくいため、早期に発見することが重要です。定期的な歯科検診とクリーニングを通して虫歯を予防しましょう。
銀歯から他の素材に変える
銀歯の下の虫歯発生を防ぐ方法として、セラミックなどの他の素材に変更することも一つの選択肢です。セラミック製の詰め物や被せ物は銀歯に比べて汚れが付着しにくく、虫歯のリスクを低減できます。
さらに、セラミックは金属ほど熱膨張することがなく、口内での変形リスクが低いという特徴があります。変形により発生する隙間を介して虫歯が生じるリスクを減らすことにつながります。
また、セラミックはレントゲン撮影時に透過するため、進行中の虫歯を早期に発見することが可能です。虫歯の早期発見が可能となるので、歯の喪失を防ぐことにつながるでしょう。
セラミックは、見た目の美しさだけでなく、虫歯予防においても大きなメリットがあるのです。
銀歯の下が虫歯になったときは
銀歯の下に虫歯が発生した際の治療法は、その進行度や範囲によって変わります。
早期に発見できた場合は、銀歯を一度取り外して虫歯部分を除去した後、新しい銀歯やレジン、セラミックなどの素材で補うでしょう。虫歯が深く進行し歯根に達している場合や、銀歯を取り外すことが困難なほど大きな穴が開いている状況では、根管治療が必要となることがあります。
根管治療は、虫歯が歯の神経（歯髄）にまで及んだ場合に行われます。歯の内部の管を洗浄・消毒し、専用の薬剤で充填する治療です。根管治療後は、適切な詰め物や被せ物を装着します。
虫歯がかなり深刻で歯を保存できない場合は、抜歯が選択されることもあります。抜歯を行った後は、失われた歯を補うためにインプラントやブリッジなどの治療が必要です。
患者様の声
当院で治療を受けた方のお声をご紹介します。
虫歯治療で来院された方の口コミ
昔から虫歯ができやすい体質で、今まで歯医者に行くたびに何個も治療していました。
こちらではどうやって虫歯ができるかというところから丁寧に説明して頂き、初めて満足がいく治療をして頂きました。設備もとても綺麗で今後も通いたい場所です。
虫歯治療とクリーニングを受けた方の口コミ
私は虫歯治療とクリーニングでこのクリニックを利用しました。歯科衛生士さんとドクターの方の気持ちの良い対応で、歯を綺麗にするだけでなく、心も綺麗に洗浄していただいた気がします。
タバコも辞めることが出来ました。また利用したいです。
まとめ
銀歯は強度に優れた治療法ですが、見た目や虫歯のリスクなどの問題があります。銀歯の下で虫歯が発生する主な理由は、金属と歯の間に微小な隙間ができること、レントゲンで虫歯を発見しにくいことでしょう。
銀歯の下の虫歯を未然に防ぐためには、日頃から丁寧な歯磨きと定期的な歯科医院でのメンテナンスが重要です。銀歯の代わりにセラミックなどの素材を選択することで、虫歯リスクを減らせます。
銀歯の下の虫歯が気になる方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾
