こんにちは。兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科です。
失った奥歯の働きを補うための治療として、インプラント治療が候補に挙がる方は少なくありません。
インプラントを検討するにあたって「奥歯がなくなったらどんなリスクがあるの?」「奥歯をインプラントにすることにはどんな利点や注意点があるの?」「だいたいどれくらいの費用がかかる?」など悩むことでしょう。
今回は、奥歯の重要性や失うことのリスク、インプラントにするメリット・デメリットについて解説します。
もくじ
奥歯の役割と失うリスク
奥歯とは臼歯のことで、大臼歯と小臼歯に分かれます。親知らずを除くと上下8本ずつ、合計16本の奥歯があります。奥歯は、私たちの食生活や健康の維持に欠かせない存在です。
本項目では、奥歯の大切な役割や失ったときに起こるリスクについて解説します。
奥歯の役割
奥歯には、次のような大切な役割があります。
- 食べ物を噛む
- 顔の輪郭を保つ
- 力を入れやすくする
- 発音しやすくする
- 心身の健康状態を保つ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
食べ物を噛む
奥歯には、食べ物を噛んで細かくしたり、すりつぶしたりする大切な役割があります。さらに奥歯でしっかりと噛み、食べ物を小さくする過程で、唾液が出てきます。唾液には酵素が含まれており、食べ物と唾液が混ざり合うことで、デンプンを糖質へと分解します。
奥歯でしっかり噛み、食べ物を細かくすることで、胃腸への負担が軽くなり消化を助けるのです。
顔の輪郭を保つ
奥歯には、顔の輪郭を保つ役割もあります。奥歯でしっかりと噛むことで顔の筋肉が発達し、若々しい表情になったり、口角が上がったりします。
力を入れやすくする
重い荷物を持つときに奥歯を噛み締めることがあるでしょう。奥歯が生えていることで、体に力を入れやすくなり力仕事がスムーズにできるのです。
重いものを持ったり、瞬間的に力を入れたりするときはもちろん、椅子や座布団から素早く立ち上がる際も、無意識に奥歯を噛み締めています。普段の日常生活の中で、支障なく動いたり力を入れたりするために、奥歯はなくてはならない存在です。
発音しやすくなる
奥歯があること(歯が生えそろっていること)で、発音がきれいにできます。奥歯があることで空気が外に漏れにくくなるためです。奥歯がなくなると「ら行」の発音がしづらくなるでしょう。歯がきちんと生えそろっていることは、会話を支障なくするうえで欠かせません。
心身の健康状態を保つ
歯が健康な状態であることと、心身の健康状態は比例します。歯が健康でよく噛めることで、脳に刺激が伝わるからです。奥歯でしっかりと噛むことで認知症の防止につながるでしょう。
さらによく噛むことで「セロトニン」というホルモンが分泌され、目覚めがよくなったり、ポジティブ思考で生活を送ったりできるでしょう。
奥歯を失うリスク
上述のとおり、奥歯は心身の健康状態を保つために欠かせない存在です。
歯周病や虫歯などの理由で奥歯を失ったときには、下記のリスクが伴います。
- 食事がしづらい
- 健康にも影響が出る
- 脳に刺激が伝わらない
それぞれ見ていきましょう。
食事がしづらい
奥歯には、食べ物を細かく砕いたり、すりつぶしたりする役割があります。奥歯がないとうまく噛めません。奥歯を失うと、それを補うようにもう片方の奥歯で噛むようになることもあるでしょう。
片側のみで噛むようになると、噛む力が片側に集中します。その結果、顔の筋肉のバランスが崩れ、顔が左右対称でなくなったり、片方の顎に負担がかかりすぎて顎関節症になったりするリスクもあるでしょう。
健康にも影響が出る
奥歯を失うと、健康状態にも影響が出る可能性があります。例えば、よく噛まない状態で飲み込むと胃腸に負担がかかるでしょう。
脳に刺激が伝わらない
奥歯でしっかり噛めないと、脳への刺激が少なくなります。そのため、物忘れが多くなったり、認知症の症状が出たりするリスクがあります。
また、セロトニンが不足するため、慢性的な疲労やストレス、意欲の低下、不眠など、心身に大きく影響を及ぼす可能性も否定できません。
奥歯のインプラント治療は難しいって本当?
「奥歯のインプラント治療は難しい」と聞いたことがあり、治療に対して不安な気持ちを持つ方も少なくありません。
奥歯のインプラント治療が難しいといわれる理由は、噛むときにかかる力が強いため、噛み合わせの調整をよりしっかりと行う必要があるためです。奥歯は開口量が狭く、手術器具を入れるスペースが小さくなるため、難しいといわれることもあるでしょう。
奥歯のインプラント治療は難易度が高いといわれているとはいえ、前歯のインプラント治療の方が簡単というわけではありません。経験と知識が豊富な歯科医師のもとで治療を受けることが重要です。
奥歯をインプラントにするメリット
奥歯をインプラントにすると、どのようなメリットがあるのか疑問をもつ方もいるでしょう。
本項目では、奥歯をインプラントにするメリットについて解説します。
以前と同じように食事を楽しめる
インプラント治療後は、奥歯を失う前と同様に食事を楽しめます。インプラントでは顎の骨に人工歯根を埋め込むため、天然歯と変わらずしっかりと食べ物を噛めるようになるのです。
審美性に優れている
インプラントは、審美性に優れている治療法です。人工歯部分にセラミックやジルコニアを選ぶことで、天然歯と見分けがつかない見た目を再現できるでしょう。口を開けて笑っても目立ちにくいため、歯を失う前のように会話を楽しめます。
脳に刺激が伝わり健康維持につながる
上記でも触れた通り、インプラントの治療後は、天然歯と同じようになんでも噛めるようになります。よく噛んで食べられるようになるため、唾液の分泌量も多くなり消化の助けにもなるでしょう。また、脳に刺激がよく伝わるようになるため、脳の働きも活性化されます。
奥歯をインプラントにするデメリット
奥歯をインプラントにすることには、メリットだけでなくデメリットも存在します。メリットだけでなくデメリットもよく理解し、納得した上で治療を受けるか決めましょう。
奥歯をインプラントにするデメリットは、以下のとおりです。
高額な費用がかかる
インプラント治療は、保険が適用されません。自由診療なので、治療には高額な費用がかかります。そのため「インプラント治療を受けたいけれど、予算オーバーだから」という理由で断念せざるを得ない方も少なくありません。
外科的手術が必要
インプラントにする場合、外科的手術が必要です。麻酔をして歯茎を切開し、骨に穴を開けてインプラント体(インプラントの土台部分)を埋め込みます。そのため全身疾患があると、治療が受けられない場合もあるでしょう。
手術後、痛みや腫れが生じる可能性も少なくありません。痛みは2〜3日程度でピークを迎え、1週間〜10日で治まることが多いです。
また「出血が止まらない」「手術後に腫れがひどくなった」「痺れを感じる」などの症状が出ることもあります。そのため、手術について十分に説明を受け、納得した上で治療を開始することが重要です。
治療期間が長い
インプラント治療は、入れ歯やブリッジ治療に比べると、治療期間が長いです。一般的にインプラントの手術は合計2回行います。
手術後はインプラント体と顎の骨が定着するのを待たなければなりません。インプラント体と顎の骨が定着するまで3〜6か月程度かかります。骨造成手術を行った場合は、さらに治療期間が長く、1年ほどかかることもあるでしょう。
奥歯のインプラントの値段
奥歯のインプラントの値段相場は、1本あたり30万円〜40万円程度です。インプラントは自由診療のため、値段は歯科医院によって異なります。また、使用するインプラントのメーカーによっても変わるでしょう。
インプラント治療自体にかかる値段に加え、骨造成手術を行った場合は別途で費用がかかります。さらに、歯科医院によっては、通院費用や精密検査費なども別途で必要な場合もあるため、値段設定について事前にしっかりと確認しておきましょう。
患者様の声
当院で治療を受けた方の口コミをご紹介します。
当院で治療を受けた方の口コミ
カウンセリング時間をしっかり設けてくださるので、わからないことが無い状態で治療ができます。先生も衛生士さんも優しい方ばかりです。
当院で虫歯治療・インプラント治療・歯列矯正治療を受けた方の口コミ
理事長が勤務医時代からお世話になっています。虫歯、インプラント、歯列矯正と長きに渡り診療していただいております。
私自身、すごく怖がり、痛がりなのでその事をお伝えしています。その上で気持ちに寄り添って治療してくれます 長く続いたのもそういった配慮があってのことです。
理事長はとてもクレバーな方で治療方針や病状などわかりやすく説明してくださり、こちらの質問にも的確に答えてくれます。
まとめ
今回は、奥歯のインプラント治療について詳しく解説しました。
奥歯は、しっかりと噛んで食事をするという意味でも、力を入れるという意味でも日常生活に欠かすことができない重要な存在です。
失った奥歯を補う治療法としてインプラント治療を選択することで、天然歯と同様にしっかりと噛めるようになります。奥歯でしっかりと噛むことにより、心身ともに健やかに過ごせるようになったと感じる方は少なくありません。
もちろんインプラント治療には、メリットもデメリットもあるため、双方をしっかりと理解したうえで、ご自身に適した治療法を選択しましょう。
西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科では患者様の不安やお悩みに寄り添ってカウンセリングと治療を行います。
インプラントを検討されている方は、兵庫県西宮市にある医療法人社団 西宮北口ライフ歯科・矯正歯科・小児歯科にご相談ください。
小道俊吾